データドリブンマーケティング「次の一手」 ──今日から試せる実践レシピとチームづくりのコツ
ヨリミルの高村です。
「データはたくさん集まっているのに、具体的な施策に落とし込むまでが遠い道のり......」そんなお悩みを抱えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今回は、Similarwebと生成AIを組み合わせたシンプル&スピーディーなアプローチをご紹介させていただきます。これまでの「ゼロ次分析」記事とは少し角度を変えて、以下の3つのポイントに絞ってお話しいたします。
- インサイトを 「拡張」 する方法
- チームの 「回し方」
- 明日から動ける 「ミニ実践レシピ」
どうぞリラックスしてご覧いただければと思います。
1. インサイトを「拡張」する三層モデル
Similarwebと生成AIの組み合わせは、「仮説づくり」だけでなく、その先の深掘りや展開にも大きな力を発揮してくれます。私自身の経験から、以下の三層で整理すると非常に分かりやすいと感じております。
▶︎ Layer 1:ファクト取得
Similarwebを活用して、流入チャネルや成長率、離脱ポイントなどの定量データをしっかりと把握いたします。「何が起きているか」を数字で正確に捉える重要なステップです。
▶︎ Layer 2:コンテキスト補完
生成AIに「なぜこの数字が伸びたのか」「なぜ落ちたのか」を問いかけ、業界ニュースやSNSでの話題と照らし合わせながら背景を理解していきます。数字の「理由」を明確にする段階ですね。
▶︎ Layer 3:ナラティブ化
得られた示唆をストーリーやビジュアルに変換し、社内外で共有する資料へ即座に反映させます。データを「伝わる形」に仕上げる最終工程です。
この「数字→背景→物語」という段階的なアプローチにより、レポート作成の時間を約3分の1まで短縮することができました。データ分析が「作業」から「価値創造」へと変わる感覚を実感していただけると思います。
2. チームの"回し方"──3つの役割とリレー形式
データドリブンマーケティングを組織に定着させるために、私が最も重要だと考えているのは役割の明確な分離とスムーズな受け渡しです。
1. シグナルハンター
Similarwebから「異変値」や注目すべき変化を発見し、簡潔なメモでSlackやチャットツールに共有する役割です。「何かが起きている」ことをいち早くキャッチして、チームに知らせる重要な役目を担います。
2. ストーリーデザイナー
生成AIを駆使して背景や競合動向を分かりやすく言語化し、具体的な打ち手の選択肢を3案程度に絞り込む役割です。データを「意味のある情報」に変換する、チームの翻訳者のような存在ですね。
3. アクションオーナー
制作チームや広告運用チーム、営業チームなど、実際に施策を実行する部隊です。Looker Studioで進捗と効果を見える化し、次のサイクルのためにハンターへバトンを渡します。
この流れでは、「起・承・転」まではAIとデータが担当し、人間は「結」の部分で腹落ちさせるイメージです。全員が全ての作業をこなそうとするよりも、それぞれの得意分野に集中した方が、はるかにスムーズに回ります。
4. つまずきポイントと処方箋
実際に運用を始めると、いくつかの壁にぶつかることがあります。よくあるお悩みと、その解決策をご紹介させていただきますね。
・「AIの回答が浅くて物足りない」
→ プロンプトに「出典データや根拠を必ず明記してください」と追記することで、より具体的で信頼性の高い回答を得られます。
・「数字と解釈にズレを感じる」
→ Looker Studioで原データと生成結果を並べて表示し、チーム内でレビューする仕組みを作ることで、精度を高められます。
・「運用が特定の人に依存してしまう」
→ 週1回の"プロンプト共有会"を開催し、効果的な指示文をチーム全体でオープンに共有することで、属人化を防げます。
5. まとめ
Similarwebで事実を掴み、生成AIで意味を見出し、そしてチームで実行する。この三位一体のサイクルが回り始めると、マーケティング業務がぐっと軽やかで楽しいものになります。
「まずは小さく試してみたい」とお考えの方は、無料版と生成AIを組み合わせて、今回ご紹介したレシピだけでもぜひトライしてみてください。きっと、データが具体的な行動に変わる手応えを感じていただけるはずです。
ご質問や「うちの会社のケースではどのように進めたらよいでしょうか?」といったご相談も大歓迎です。お気軽にお声がけいただければと思います。
みなさまのマーケティング活動がより効果的で楽しいものになることを心から願っております。
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