『ペンギンメソッド』を読んで展示会に挑戦!小さなチームのリアル体験記
少人数チームが挑戦!ペンギンメソッドで展示会に初挑戦
「展示会の成功に必要なこと」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?魅力的なブースデザイン?配布資料のクオリティ?それとも、来場者様への熱心なアプローチでしょうか。
正解は全部!・・・なのですが、私たちヨリミルのチームは、展示会に出展した経験がありませんでした。初めての挑戦で、何から手を付けたらいいのか全く分からない状況だったのです。「とりあえずブースにA3パネルを貼ればいい?」と安易に考えていましたが、調べてみると「展示会はブースのデザイン次第で集客効果が大きく変わる」と知り、何とか良い方法を見つけたいと模索していました。
そんな中、私たちが展示会の準備に奔走していた際に出会ったのが、『集客できる展示会ブースづくり PENGUIN METHOD(ペンギンメソッド)と店舗への活用』という一冊。この本は、展示会運営のバイブルとして多くの支持を集めています。「限られたリソースでも最大限の成果を引き出す」という手法は、展示会初心者である私たちにとって、まさにぴったりでした。
ペンギンメソッドに基づく戦略を取り入れることで、展示会未経験の少人数チームでも効果的な展示会運営を実現するための道筋が見えてきました。そこで今回は、このペンギンメソッドの基本理念と、私たちの実践から得られた学びをご紹介します!
この記事はこんな方におすすめです
・限られた予算内で効果を最大化する方法が不明。
・ブース設計や運営のノウハウ不足。
・チームメンバーが少なく、運営負担が大きいとお悩みの方。
展示会ブース設計の鍵となる『ペンギンメソッド』とは?
先に結論をお伝えしますと、展示会ブース設計にお悩みの方に『ペンギンメソッド』がおすすめな理由は以下の通りです。
・少人数でも再現可能なシンプル設計
・「来場者目線」を徹底したデザインの重要性を学べる
・段階的な接触で来場者の負担を軽減できる
・ 短期間で効果を出せる行動心理学の活用
・少ないリソースでも最大限の成果を目指せる戦略
逆にあまり参考にならなかった部分は下記です。
・メソッドをすべて実現しようとすると相当予算が必要
・居抜き形式の展示会では適用が難しい
・営業力そのものにフォーカスするメソッドではない
・獲得したリードのフォローなどの戦略は別の書籍等で補完したほうがいいかもしれません
『集客できる展示会ブースづくり PENGUIN METHOD』は、一級建築士の竹村尚久氏が展示会ブースデザインのノウハウを体系化した一冊です。
ペンギンメソッドは、「行動心理学」「視覚デザイン」「リード獲得戦略」の3つを柱に、来場者の注意を引き、効果的にコミュニケーションを行うためのノウハウを体系化しています。特徴は、予算や規模に関係なく、デザインや運営の工夫次第で成果を最大化できる点です。
例えば、来場者の目を引く「動線設計」や「アイキャッチデザイン」を活用することでブースへの誘導率を向上させるだけでなく、簡潔で記憶に残るメッセージを展開することで、限られた時間内に来場者の興味を引きつけます。初めて展示会に挑戦するチームでも成果を出しやすいのが特徴です。
ペンギンメソッド流・成功するブースの3つのコツ
1. 「わかりやすさ」がカギ
ペンギンメソッドでは、ブースを見た瞬間に「何を扱っているのか」がわかるようにすることを重視しています。例えば、通路を歩きながらでも目に入る大きなアイキャッチや、簡潔で強調されたメッセージが効果的です。来場者は限られた時間内で複数のブースを回るため、一目で魅力を伝える仕掛けが重要です。
2. 「立ち寄りやすさ」の工夫
来場者が自然にブースに近寄れるようにする工夫もポイントです。具体的には、通路際に展示物やチラシを配置して、ブース内に入らなくても手に取れるようにする仕掛けが挙げられています。また、スタッフの立ち振る舞いも重要で、来場者に「捕まるのでは」と警戒させない穏やかな雰囲気を演出することで、気軽に話しかけやすい環境を作ります。
3. 「興味を引く」デザイン設計
ブースデザインは、注目してほしいポイントを一つに絞ることが重要です。ペンギンメソッドでは、「すべてを盛り込むのではなく、伝えたいメッセージをシンプルに絞る」ことを推奨しています。複雑なデザインはかえって来場者を混乱させてしまうため、視覚的に直感的でわかりやすい要素を中心に設計するのが効果的です。
ペンギンメソッドは、これらの原則を組み合わせて、来場者が「足を止める」「ブースに近寄る」「興味を持つ」流れを作り出します。シンプルかつ実践的な方法は、予算や規模を問わず実行可能で、多くの展示会で効果を上げています。
詳しくはこちら
ペンギンメソッドの詳細については、以下の公式サイトでも書籍の抜粋版をチェックできます。展示会成功のためのヒントが満載です!
ヨリミルチームは、なぜ展示会に挑戦したのか
私たちヨリミルチームが展示会に挑戦したのは、新規サービスを軌道に乗せるための「リード獲得」が主な目的でした。新規立ち上げサービスでリードがない状況だったので、短期間で効率的に潜在顧客との接点を増やす必要がありました。展示会という場は、その即効性から新サービスのスタートダッシュを切るのに適した方法だと判断しました。
また、展示会には市場や競合の状況を直接観察できるというメリットがあります。他社のブースやプレゼン内容から、最新の業界トレンドや競合の戦略を知ることができ、自社のポジショニングを見直す機会にもなります。
さらに、展示会には自社のターゲット層に近い来場者が集まるため、製品やサービスの魅力を直接訴求できるのも大きな魅力です。これにより、オンラインや間接的なマーケティングでは伝わりづらい価値を、対面で伝えることが可能ではと考えました。
私たちのチームには、来場者を惹きつける力や発想力に優れたメンバーが揃っており、展示会というリアルな場でその強みを最大限に活かせるとも考えました。展示会への挑戦は、リード獲得のみならず、自社サービスや戦略を進化させるための重要な一歩だったのです。
展示会のKPIと目標設定
私たちヨリミルチームは、展示会に挑戦するにあたり、具体的なKPIを設定し、目標を明確にしました。新規サービスの認知拡大とリード獲得を主目的とし、以下の数値目標を掲げました。
4日間の合計来場者数を 9,000人 と想定し、その5%にあたる 450件 の名刺獲得を目標としました。
・当日限定キャンペーン実施数
名刺獲得数の20%にあたる 90件 を「当日限定キャンペーン」の申込数として設定しました。
実際にやってみた!準備から本番まで
1.他の展示会を偵察
まずは『ペンギンメソッド』を熟読し、理論をしっかり理解したうえで、チームメンバーで他の展示会に来場者として参加し、偵察を行いました。会場を歩きながら、「興味を引くデザイン」「立ち寄りやすさ」「動線の工夫」といったポイントや配布物を意識的にチェック。
例えば、歩きながらでも目に留まる短く目立つキャッチコピーを掲げて来場者の足を止めるブースや、通路際に展示物やチラシを配置し、スタッフが控えめに待機していることで、気軽に立ち寄れる雰囲気を作っているブースが印象的でした。
一方で、自社目線が強すぎるあまり、売りたいサービスのチラシを詰め込みすぎて何を扱っているのか分からないブースや、奥まった位置に文字がびっしり書かれたA3サイズのパネルだけを掲示しているブースは、ほとんど素通りされているのが現状でした。
ペンギンメソッドが提唱する「来場者目線」の重要性を改めて実感するとともに、自分たちのブース設計に活かすべきポイントが明確になりました。特に大きな収穫は、「展示会は重要な営業活動である」という意識をチーム全員で共有し、成功イメージを具体的に描けたことです。貰えるものはすべて貰って帰ったので全員腕がパンパンになりました。
2.展示ブースの目的を明確にする
展示会参加における目的は、単に名刺情報を大量に獲得することではなく、より具体的でホットな顧客との接点を持つことでした。特に重視したのは「当日限定キャンペーン」の実施を通じて、単なる接触にとどまらず、サービスや商品への具体的な興味を持つ見込み客を引き出すことを目指しました。
単にリード情報を集めるだけではなく、来場者が自発的に次のアクションを起こすきっかけを作り出すもので、展示会後のフォローアップや商談へスムーズにつなげることを意識しました。
そのため、展示ブースの設計も「いかにキャンペーンに興味を持ってもらうか」「いかに実施してもらうか」を中心に考え、ブース全体の動線や装飾、スタッフ配置に至るまで焦点を絞って準備を進めました。
3.ブース設計(装飾、配置、演出)
展示会偵察で得た気づきをもとに、どのようなブースデザインや配布物が効果的かをチームで話し合いました。さらに、来場者の関心を引くために、当日限定のキャンペーンを実施する案も検討。今回出展を決めた「DXPO24'」では、2社で1つのスペースをシェアする「シェアブース方式」を採用しており、コストを抑えられる一方で装飾の自由度には制限がありました。そのため、限られた予算と装飾条件を踏まえて、展示ブースに必要なアイテムを慎重に選定しました。
ペンギンメソッドでは、来場者がブースに足を踏み入れる際の心理的ハードルをいかに下げるかが重要とされています。その考えを基に、私たちのブースでは以下の工夫を取り入れました。
・オープンなデザイン
・通路際での簡易接触ポイント
・手に取りやすい配布物
・ストーリー性のある動線設計と段階的な商談
・「動的待機」の実践
・ 賑わいの演出
・収納への配慮でブースの印象を整える
これらの工夫によって、来場者が心理的負担を感じることなく、自然な流れでブース内に足を運ぶ環境を実現しました。ペンギンメソッドの知見を活かし、来場者目線に立ったブース運営を徹底したことが成果に繋がりました。
・オープンなデザイン
ブース全体をオープンな構造にし、通路からブース内が見渡せるレイアウトを採用しました。これにより、来場者は「何をしているのか」「どんな展示があるのか」を一目で理解でき、立ち寄るきっかけをつかみやすくなりました。
また、シェアブース方式の装飾制限に対応するため、背面には装飾用タペストリーを採用。ペンギンメソッドを参考に、タペストリーの上部に伝えたいメッセージを大きく配置しました。この工夫により、机やスタッフがいても隠れることなく、来場者の目に留まりやすいデザインを実現しました。
・通路際での簡易接触ポイント
通路際に設置したロールアップバナーやチラシ台を活用し、視覚的なアプローチを強化しました。ペンギンメソッドを参考に、バナーの上部には簡潔で目を引くキャッチコピーを大きく配置し、通路を歩く来場者が数秒の間にブースの内容を直感的に理解できるようデザインしました。
さらに、スタッフによる押し売り営業ではなくあくまでカジュアルな声かけを徹底。来場者に心理的負担を感じさせず、立ち寄りやすい雰囲気を演出しました。この工夫により、ブースに足を踏み入れる前の接触ポイントを増やし、通路全体へのアプローチ効果も向上しました。
ペンギンメソッドの「来場者の目を引くデザイン」を参考に、通路際で手持ちA1パネルを活用しました。パネルには簡潔で分かりやすいキャッチコピーを記載し、来場者が瞬時に内容を理解できるよう工夫。また、人の視線が動きに反応しやすいという視覚的注意の特性を活かし、パネルを持って動きながらアピールすることで、さらに目立つ仕掛けを作り出しました。
・手に取りやすい配布物
ペンギンメソッドを参考に、チラシやパンフレットは通路側の目立つ位置に設置しました。この工夫により、来場者はブースに足を踏み入れることなく、気軽に情報を持ち帰ることができます。内容は簡潔で要点を抑えたものにし、歩きながらでも興味を引けるデザインを意識しました。
さらに、スタッフが直接声をかけなくても、自然に手に取りやすい雰囲気を作ることで、来場者に余計なプレッシャーを与えず、ブースへの心理的ハードルを下げる効果が期待できます。
配布物のデザインは、偵察時に収集したチラシを参考にしながら、ヨリミルのチラシデザインを検討しました。特に「一つのチラシにワンイシュー」というポイントを重視し、情報が分散しないように構成を工夫。また、ペンギンメソッドの教えに従い、他部署のサービスチラシを混在させることで来場者が混乱しないよう、統一感を保つために置かない方針を採用しました。
・ストーリー性のある動線設計と段階的な商談
ペンギンメソッドの「ストーリー性のある動線設計」を採用し、来場者がブースに足を踏み入れるところから商談やキャンペーン参加に至るまでの流れを、一貫したストーリーとして構築しました。この設計により、来場者の関心を引きつけ、自然な形で次のアクションへとつなげることができました。
「段階的」な商談
1小間や2小間サイズのブースでは、商談席を設けるとスペースが大きく制約され、展示物の配置に影響を与えます。また、来場者が座って話をするのは、より具体的な商談に進む段階であるため、全来場者に対して必須ではありません。
ペンギンメソッドに基づき、段階的な商談設計:
通路際に「キャッチャー」を配置し、短い会話や資料配布を行うことで、来場者の関心を引きました。このステップでは、立ち止まってもらうことを重視し、次の段階へスムーズに進む基盤を作りました。
・ カウンターを活用した対話
ブース内に配置した簡易なカウンターを使い、立ったまま資料を広げて具体的な説明を行いました。来場者が短時間で情報を得られる環境を整えることで、気軽に応じてもらいやすくなりました。
・ 具体的な商談もカウンターで行う
当日限定キャンペーンの説明や、さらに具体的な商談は、通路沿いのカウンターで行いました。「来場者はブース奥で長時間商談をしたがらない」というペンギンメソッドの考えを反映し、ブース奥は商談スペースではなく、キャンペーン準備や名刺情報整理のスペースとして活用。来場者に心理的負担を与えない環境を作り上げました。
スタッフ配置戦略
動線設計を効果的に機能させるため、ペンギンメソッドに基づいてスタッフの役割を明確化しました。スタッフごとの得意分野(プレゼン力や事務作業能力)に基づいた役割分担を意識しました。
• キャッチャー:通路際で来場者の注意を引き、立ち止まるきっかけを作る。
• プレゼンター:カウンターでデモやキャンペーンを解説。
• サポーター:名刺情報の整理や資料準備を担当。
• オブザーバー:全体の流れを把握し、スムーズな運営を支援。
この役割分担により、限られた人数でも効率的に運営できる体制を構築。各スタッフがそれぞれの役割を全うすることで、来場者が気軽にブースに立ち寄り、次のステップへ進みやすい仕組みを作り上げました。
・「動的待機」の実践
当日は、ペンギンメソッドの「動的待機」を意識した接客を実践しました。「動的待機」とは、アパレル店員が店先でただ立っているのではなく、服を畳むなどの作業をしながらお客様が入りやすい雰囲気を作るようなアプローチを指します。この方法を展示会ブースに応用し、スタッフがブース内でただ立ち尽くすのではなく、パンフレットを整えたり、デモンストレーション用の備品を調整したりすることで、自然な動きと親しみやすさを演出しました。これにより、来場者が気軽に立ち寄れる雰囲気を作り出し、来店ハードルを下げることができました。
・賑わいの演出
ペンギンメソッドでは、ブースの賑わいが来場者の心理に与える影響について触れています。特に「ブースが空いていると入りづらいが、誰かが立ち寄っていると、つられて足を止める」という来場者心理を活用する重要性が挙げられます。これに基づき、私たちのブースでは、スタッフがブース内で自然な動きを見せたり、会話をしていることで「賑わい」を演出しました。これにより、来場者が気軽に立ち寄れる雰囲気を作り出し、多くの当日限定キャンペーン実施に繋がりました。
さらに、当日はおそろいの衣装として青い白衣を着用しました。スーツでは威圧感がある一方で、ロゴ入りのTシャツでは他社と埋没してしまう可能性がありました。そこで、「デジタル戦略のセカンドオピニオン」というテーマに沿って白衣を選択。清潔感があり、他社との差別化もできるだけでなく、堅苦しくなりすぎないバランスの良い衣装となりました。この工夫により、来場者に親近感を持ってもらいやすくなり、ブース全体の雰囲気づくりにも貢献しました。
・商談を促進する「体験型」コンテンツ
当日は、来場者が興味を持ちやすい「体験型」のコンテンツとして、解析ツールを活用した 競合サイト診断 を実施しました。この診断では、普段は目にする機会が少ない他社サイトのデータや分析結果をその場で提供。来場者にとって、自社のマーケティング戦略を見直す貴重なヒントとなり、次の施策の一手を考えるきっかけを作ることができました。
また、「数分で簡単な診断を体験できる」というハードルの低さもあり、ブースに立ち寄った多くの来場者に興味を持ってもらえました。このコンテンツは、短時間で価値を提供するだけでなく、来場者との深い会話の入口としても機能しました。
・収納への配慮でブースの印象を整える
ペンギンメソッドの「収納の工夫」に基づき、ブース内のカバンや荷物が散らからないよう徹底的に意識しました。特に、スタッフ自身はあまり気にならない荷物の置き場も、来場者の立場になると意外と目に留まりやすく、雑然とした印象を与えてしまう可能性があります。
そのため、スタッフのカバンや不要な備品はブース内の見えない収納スペースにまとめて管理。来場者の視界には、展示物やキャンペーンに集中してもらえるよう配慮しました。この小さな工夫が、全体のクオリティを引き上げる一助となりました。
4.リード獲得後の即時対応
展示会でのリード管理を効率的に行うため、展示会開催会社が提供するQRコード読み取り機能はあえて利用しませんでした。この機能を使用すると、取得した情報が一度展示会会社のシステムに保存され、その後CSVファイルに変換してMAツール(HUBSPOT)に取り込む必要があり、即時対応が難しくなるためです。
代わりに、HUBSPOT入力専任スタッフをブースに配置し、紙の名刺を受け取った直後にHUBSPOTへ情報を登録。手動ですが最短でHUBSPOTへ登録する仕組みを構築しました。展示会前には、thanksメールの文面や送信タイミングをあらかじめ設定済み。名刺交換をした直後にフォローアップメールが送信されるよう手配していました。
さらに、展示会当日限定のキャンペーンを実施して頂いた来場者と、名刺交換のみの来場者を区別するため、HUBSPOTのプロパティを事前にカスタマイズ。これにより、後日のリードに対するアプローチをスムーズに進めることができ、フォローアップ活動の精度を高めることができました。
その結果、展示会終了とほぼ同時刻にthanksメールを送信することができました。迅速な対応を行うことで、来場者に対する印象を良くし、次のアクションへ繋げる機会を最大化しました。
5.データ分析・振り返り
展示会を終えた私たちヨリミルチームは、事前に設定したKPIを基に結果を振り返り、データを分析しました。新規サービスの認知拡大とリード獲得を主目的として掲げた具体的な目標に対する成果を以下の通り確認しました。
目標として掲げた450件には届かなかったものの、220枚の名刺を獲得。重要なポイントとして、今回の戦略は「コールドな名刺情報を大量に獲得する」ことではなく、よりホットな顧客との接点を持つことを目的としていました。そのため、単なる名刺数の達成だけでなく、名刺情報の質を意識して接触を図った結果といえます。
・当日限定キャンペーン:目標を大きく上回る 目標:90件(名刺獲得数の20%)
実績:当日限定の特別キャンペーンには 153件 の申込をいただき、こちらも目標を達成しました。通路側のカウンターでの段階的な商談導入や、カジュアルな接客が功を奏し、来場者がスムーズに申し込みを決断できる流れを作れたことが成功の要因です。
・商談化への期待値 商談化率以降のデータは非公開となりますが、今回獲得したキャンペーン参加者のデータを基に、後日の商談化フォローを行いました。展示会終了後もHUBSPOTを活用したスムーズなフォローアップ体制を維持することで、見込み顧客へのアプローチが効率化され、商談転換率の向上を図りました。
実施してわかった「成果」と「反省点」
良かった点
・ペンギンメソッドの導入によるブース設計の最適化
来場者目線を徹底的に意識したオープンなデザインや通路際のアプローチポイントの設置が、心理的ハードルを下げ、立ち寄りやすい雰囲気を実現しました。特に手持ちパネルやカジュアルな声掛けが効果的で、多くの来場者をブースに引き込みました。
・「当日限定キャンペーン」の成功
キャンペーン参加者数が目標の90件を大きく上回る153件となり、特に段階的な商談プロセスを取り入れたことが奏功。カジュアルな対話から具体的な商談へスムーズに繋げるフローを構築できました。
・ 迅速なフォローアップ体制の構築
HUBSPOTを活用した情報管理と即時対応が功を奏し、展示会終了とほぼ同時刻にthanksメールを送信。迅速なフォローアップにより、来場者への印象を高めることができ、次のアクションへの機会を最大化しました。
・ 体験型コンテンツの高評価
解析ツールを活用した競合サイト診断は、来場者にとって有益な情報を提供するとともに、次の施策を考えるきっかけを提供。短時間で価値を感じてもらえるコンテンツとして高く評価されました。
・賑わいの演出と統一感のある衣装選び
賑わいを演出するための動的待機や、青い白衣の採用による視覚的な差別化が来場者の興味を引き、親近感を与える効果を発揮しました。
改善点
・名刺獲得数の目標未達
設定した450件には届かず、実際には220件の名刺を獲得。ホットリードに注力した結果ではあるものの、特にコールドリードをある程度集める方法やブースへの来場者数を増やす施策の検討が課題として残りました。
・商談フローの改善余地
段階的な商談プロセス自体は機能しましたが、当日限定キャンペーンの説明が一部で長引き、他の来場者に対応するスタッフが足りない場面がありました。今後は説明時間を短縮する工夫や、同時対応できる体制を検討する必要があります。
・ 配布物のブラッシュアップ
配布物の内容が一部で冗長だと感じられる来場者もおり、歩きながらでも興味を引ける「より来場者の興味を引く資料作り」に取り組む必要があると感じました。
実現できなかったペンギンメソッド
ペンギンメソッドの多くの知見を活用して展示会運営を行いましたが、いくつか実現が難しかった要素もありました。ブースの制約や予算の都合により断念しましたが、次回の課題として活かせるポイントでもあります。
・滞留させる工夫
来場者がブースに長く滞在する工夫として、体験型コンテンツや会話の導入は成功しましたが、さらなる「滞在を促す仕掛け」には手が回りませんでした。ペンギンメソッドでは、来場者が滞在しやすい「余白のある空間設計」が推奨されています。しかし、今回は予算の関係で 2コマサイズのシェアブース だったため、広い動線や滞在スペースを確保する余裕はありませんでした。滞留を促す仕掛けは次回以降の課題です。
・五感で感じてもらう演出
ペンギンメソッドが提唱する「五感に訴える工夫」については、時間や予算の関係で実現できませんでした。特に、香りや音やプロモーション映像などを活用したブース演出は、来場者の記憶に残る仕掛けとして有効ですが、予算や納期、シェアブースの制約で導入が難しいと判断しました。
・照明などの演出
ブース全体の雰囲気を高めるために重要な「照明演出」も、シェアブースの装飾制限のため実現できませんでした。特に、ライトの配置や色温度による視覚的な効果は、次回以降、ブース設計で検討すべきポイントと感じました。
ペンギンメソッドで挑戦した少人数チームのリアルな学び
少人数チームでも展示会を成功させるためには、限られたリソースを効率的に活用し、明確な戦略を持つことが重要です。私たちはペンギンメソッドを取り入れ、再現性のある手法を実践することで、いくつかの重要な学びを得ることができました。
・「来場者目線」を取り入れる重要性
ペンギンメソッドでは、「来場者の動きや心理を想定した設計」が重視されています。これを念頭に置き、動線や装飾、配布物の配置を工夫したことで、初めての展示会でも来場者にとって「立ち寄りやすい」ブースを実現できました。
・段階的な接触で負担を軽減
通路際の軽い声かけや資料配布から始め、カウンターでの簡易な説明を経て具体的な商談へつなげる「段階的なアプローチ」を採用。これにより、来場者の負担を減らしつつ、スムーズに興味を深めてもらえる流れを作れました。
・資源が限られていても戦略でカバーできる
少人数チームならではの課題として、スタッフや予算が限られている中で、効率的な運営が求められました。ペンギンメソッドを活用することで、「役割分担の明確化」や「シンプルで効果的なデザイン」など、実行可能な範囲で最大限の成果を目指すことができました。
・ 無理なくできる範囲を見極める
一方で、限られた予算やシェアブースという制約の中では、ペンギンメソッドのすべてを実現することはできませんでした。例えば、滞留時間を増やすための空間設計や、五感に訴える演出など、次回以降に取り組むべき課題も浮き彫りになりました。
ペンギンメソッドを取り入れて、展示会成功への一歩を踏み出そう!
『ペンギンメソッド』は、展示会未経験のチームや限られたリソースで挑む小さなチームにとって、大きな助けとなるノウハウの宝庫です。私たちヨリミルチームも、この手法を活用することで「来場者目線」を重視したブース設計と戦略を実現し、効果的な成果を上げることができました。
『ペンギンメソッド』が展示会に役立つ理由
• シンプルで再現しやすい:初心者でも取り組みやすい具体的な手法が多く、スムーズに取り入れられる。
• 来場者目線を重視:視覚デザインや動線設計など、来場者の行動心理を考慮した設計で、心理的ハードルを下げる工夫が詰まっている。
• 限られたリソースでも成果を最大化:予算や人数に関係なく、戦略次第で成果を出せるアプローチが豊富。
小さなチームでも成功できるポイント
• 役割分担の明確化:少人数でも効率よく動けるように、各メンバーの役割を明確にすることで負担を軽減。
• 段階的な商談プロセス:負担の少ない接触方法から始め、興味を持った来場者をスムーズに商談へ導く流れを設計。
• デザインのシンプルさ:複雑さを排除し、限られた空間でも最大限の情報を伝える工夫。
次の一歩を踏み出そう!
ペンギンメソッドが提供する具体的なノウハウを参考に、展示会成功のための準備を始めませんか?チーム全員で「来場者目線」の重要性を共有し、次回の展示会ではさらに洗練された戦略を実行しましょう。
まずは以下のステップから始めてみてください:
1. 『ペンギンメソッド』を読んで具体的なノウハウを学ぶ。
2. 小さな成功体験を積むためのシンプルな戦略を設計する。
3. チームで成果と課題を振り返り、改善点を次に活かす。
少人数でも成功できるペンギンメソッドで、展示会運営を進化させましょう!
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