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【速報レポート】MTDDC Meetup TOHOKU 2025 :真夏の仙台で 、CMS 花火が打ち上がった!

2025/07/30
【速報レポート】MTDDC Meetup TOHOKU 2025 :真夏の仙台で 、CMS 花火が打ち上がった!

「コンテンツマーケティング」という名のジャングルから、こんにちは。

ヨリミルライターの大前です。

今回は2025年7月26日(土曜日)開催の「MTDDC Meetup TOHOKU 2025」を体感してきましたので、速報レポートします!

MTDDC Meetup TOHOKU 2025に参戦!

「CMSの未来」と「コミュニティマーケティングの実態」を肌で感じるべく、いつもお世話になっているPeachの飛行機へ乗り込み、仙台へ。

到着するやいなや、仙台名物「すずめ祭り」の熱気を浴びて、少し涼しくなった夏の風を肌で感じながら今から起こる体験にワクワク......。

いざ TKP ガーデンシティ仙台 の21 階に!エレベーターの扉が開くと 、CMS 界隈の活気が迎えてくれました。

仙台の風景

(撮影)エレベーターの扉が開くと、スカイブルーの青空と眼下に広がる杜の都の大パノラマ

受付を済ませた瞬間、首から下げたネームカードがまるでパスポートのよう――ここは「CMSの進化」と「コミュニティを支える」気迫満載の多種多様な人々が集まる、東北のトロピカル オアシステーマパークなのです。

◎MTDDC Meetup TOHOKU 2025とは?

会場の様子

MTDDC Meetup TOHOKU 2025

Movable Type Developers & Designers Conferenceの略で、Movable Typeに携わる技術者やデザイナー向けのカンファレンスとして2007年に誕生。

その後、ユーザーからもイベントを開催したいとの声が出るようになり、ユーザー主催のイベントに「MTDDC Meetup」の呼称を付けることになりました。

今回の東北以外にも、東京・福岡・鹿児島など、各地でコミュニティが形成されています。
MTDDC Meetup TOHOKU 2025は、2024年に8年ぶりに開催され、発起人である株式会社ナチュラルの藤本 翔太(ふじもとしょうた)氏の熱い思いで、今年も続投が決まりました。

オープニングは、緊張と高揚の 10 分間に(12:30開幕)

スタッフTシャツが会場を縫うように動き回る中、実行委員長である藤本 翔太さんの挨拶で幕開け。参加者100名の拍手が一斉に起こり、会場は一気にフェスのボルテージに包まれました。

MTDDCTOHOKUの東北6県をイメージしたロゴTシャツを着たボランティアの方々の姿に「東北愛」を感じながら、基調講演の開演を心待ち。

「CMSの現在地と未来」の基調講演(12:40〜)

本日のオープニングを飾ったのは、Movable Type を生んだシックス・アパートの平田大治(ひらただいじ)氏による基調講演でした。
90年代インターネットの黎明期から AI 時代まで、ジェットコースターのように駆け抜けるトークに、会場はテンションがMAX !

歴史を一気読みしながら、ワクワクが止まらない!

90年代、学術ネットワークだったインターネットが商用化へと舵を切り、Mosaic/Netscape が世界を席巻。
「数千万円のワークステーションで HTML を手書き、更新は修行そのものだった」と当時を振り返る平田氏の言葉が、オーディエンスの笑いを誘います。

続いて2000年代----ブログが、個人発信の民主化を起こし、Movable Type が企業利用の扉を開き「HTML 手打ち時代が、ブログで"書く→公開"に変わった瞬間は本当に魔法だった」と平田氏が熱弁。
聴講者の頷きと拍手が止まりませんでした。

そして話題は SaaS へとシフトし、ヘッドレス化、そして AI への解説に。

「CMS は、ウェブを超えたコンテンツ基盤へと進化中で、AI と組めばさらに制作も運用も加速する。一方、意思決定は人間のクリエイティブが握る----ここが面白いところです!」と、新旧テクノロジーのハイブリッド未来像を提示してくれました。

# 1:WordPress の"今どき"ビルド術(13:10〜)

スピーカー

札幌からやって来た「(´ ºムº `)」こと、長谷川広武(はせがわひろむ)氏が登壇。

「静的HTMLを先に組んで後からWordPress化? それ昔の作法ですよ!」と、冗談交じりに切り込み、
会場の制作者たちの背筋をピンとさせ、セッション開始10秒で心をキャッチしていました。

講演内容

テーマは「制作会社こそ知るべき今のWordPress構築方法」について話してくれました。

鍵を握るのは、ブロックエディタ、theme.json、そしてブロックパターン

WordPress 5.0から標準搭載のブロックエディタを使えば、見た目どおりの要素を積み木のように配置ができるということで、
東京のクライアント案件をたとえに、長谷川氏が管理画面をライブで披露してくれました。

ポイント

見出し、ボタン、カードレイアウトまで編集ができ、画像もテキストも即時に反映。

カスタムフィールドを大量に並べて「ここには数字だけ、ここは80字以内」と縛り上げる従来のフローとの違いが歴然。
「納品後、『この色だけ変えたい』と頼まれても、いまはお客さま自身で完結されています」とにっこり。
基盤となるtheme.jsonは「サイト全体の味付けファイル」

フォントサイズやカラーパレット、余白ルールを一冊の設定書にまとめることで、後からデザインを直しても崩れない。
さらに標準ブロック+スタイルの組み合わせで八割の要件を満たし、どうしても足りない部分だけパターン登録か、カスタムブロック開発で補うのがHAMWORKS流。
制作コストも保守負担も最小化できる優秀さに感動。

ローカル開発にはDockerベースの「WordPress Studio」を推奨していて、ボタン一つで環境が立ち上がるのでチーム共有もスムーズ。ブロックエディタの裏側を支えるReactを学べば、
拡張開発がぐっと楽になる、とのアドバイスで締めくくられ、会場は期待感いっぱい。
クライアントの運用改善に目を向けて、そこに真摯に向き合う姿勢がこういった結果につながるのだと、

あらためて顧客目線の大切さを痛感しました。

# 2:Movable Type ラインナップ全部盛り!(14:05〜)

スピーカー

茨城の田園からドローンを飛ばし、市のPR動画まで撮ってしまうクリエイター気質を持つ、シックス・アパートのプロダクトシニアマネジャー早瀬将一(はやせまさかず)氏が登壇。

(写真)シックス・アパートのプロダクトシニアマネジャー 早瀬氏

講演内容

"ムーバブルタイプ(MT)シリーズ"全部盛り"について紹介してくれました。

まずは、王道のソフトウェア版とエンタープライズ向け上位版の説明がありました。
サーバーにインストールすれば、タグとテンプレートだけで堅牢サイトが完成。国内5万サイト超の実績は、伊達じゃない! 
運用をラクにしたいなら、アップデートも監視もお任せのクラウド版。

ポイント

ステージング配信機能で「公開前に冷や汗ゼロ」に!

AWS派にはAMI版で、最適化済みのイメージをポンと起動するだけでMTが動く手軽さは、インフラ好きの心をくすぐります。

さらにSaaSの MovableType.net は月額2,300円からとお手頃。
動的生成でサクサク高速、AIタイトル提案やノーコード編集など、便利機能が標準装備されている。

さらに、独立したサービスとしてフォームやサイトサーチもあるので、どんなサイトでもお問い合わせと高精度検索が一気に完成できます。

まずは、『MovableType.net 』で実現できるか考えて、プラグインなどが必要であればクラウド、複雑なシステム連携などが必要であればソフトウェアといったように使い分ける、というのが、早瀬流ハイブリッド戦略なのだとか。

「長く使えるCMSを、もっと面白く」今秋リリース予定のMT9も開発者プレビュー公開中とのこと。

ドローンで空撮するように、あなたのサイト運営も視界良好にしてくれそうです。

# 3:a‑blog cms 16 年目の貫禄(14:30〜)

スピーカー

「有限会社アップルップル」代表・山本一道(やまもとかずみち)氏が登壇。 CMS「a‑blog cms」を育て続けて16年の、CMS業界のレジェンドです。

(写真)「有限会社アップルップル」代表・山本氏

講演内容

a‑blog cms のコアな「HTML ファースト設計」について紹介してくれました。

テンプレートは誰が見ても理解できるシンプルな構成で、デザイナーもコーダーも迷子にならない。管理画面まで自由にカスタマイズができ、運用者が「ここ直したい!」と感じた瞬間に押せるダイレクト編集ボタンが大好評なのだそう。

デモでは、イベント公式サイトの HTML 一式をテーマフォルダに置き、ニュース部分を動的化。新規記事を投稿すると即時で一覧に反映される様子に、会場は「おおー!」という声が漏れていました。
あらためて、a‑blog cmsの使い勝手の良さ、無駄の無さに驚嘆です。

「あの頃はブログなんて言葉すらなかった」と語る山本さんですが、 CMS を作り始めたのは 2000 年ごろ。Perl で自作した日記 CGI が原点だったのだそう。
やがて、ブログブームが到来し、2009 年に現在の a‑blog cms へと進化。
暗号化コードが解き放たれた2021 年には、より多様な環境で動く"オープンな相棒"へと、成長を遂げる。

ポイント

長く使えてこそ、道具は価値がある。

だからこそ、アップデートは小刻みに。安全性は堅牢に。

そう語る、山本さんの口調は穏やかながら、制作者と運用者を同じくらい幸せにしたいという強い意志が芯に宿っているように感じられました。

現在、有償ライセンスは 5,300 超。全国 77 社のパートナーが名を連ねる中、東北はまだ空白なのだとか。
「仙台で一番 a‑blog cms に詳しい制作会社、今なら名乗り放題ですよ」と山本氏からのお誘いに、関西企業である私が、東北支社の新設を考えてもいいと一瞬思えました。

# 4:「国産ヘッドレスCMS Kuroco」の衝撃!(15:05〜)

スピーカー

デバータのセールスマネージャー 北野絵里奈(きたのえりな)氏が、"黒子"こと国産ヘッドレス CMS「Kuroco」を紹介。

(写真)デバータのセールスマネージャー 北野氏

講演内容

元バックエンドエンジニア&PMのキャリアを持つ北野氏は、「Kurocoはまだ⽣後4歳、でも実績は 20 年モノなんです!」と、早くも会場を沸かせます。

ヘッドレスCMSならではの「フロント自由。バック強靭」構造を武器に、続々と事例を連発。

さらに、AI 検索 & RAG 機能で KDDI のサイト内 Q&A を多言語対応させたデモでは、「翻訳も要約もワンクリック、人力コピペとはもうサヨナラ!」とドヤ顔。
気になるコストは「100 万 PV でも月 3万円台とお手頃。しかも月 1,000 円までは無料で全て試せます」とのこと。

ポイント

非エンジニアの私から見ても、ヘッドレスCMS自体が若干とっつきにくく、運営していくうえで難しいのではないか...と、少し敬遠していた部分もありましたが、印象がガラリと変わりました。

学習コストも低く、「API 定義は GUI でポチポチ、フロントは React や Astro で OK」と初心者にも優しい設計になっているのだとか。
構築費で稼ぐもよし、24 時間サポートを再販して運用で稼ぐもよし、と代理店向けの「二刀流モデル
」を提示し、北野氏の営業トークも抜かりなし。

最後は「Kurocoと覚えて帰ってください!問い合わせフォームに仙台で聞いたと書けば私が飛んでいきます!」と笑顔で締めて、
会場は拍手喝采。エンタープライズ案件で「攻めのヘッドレス」を探すなら、Kuroco。一度触ってみる価値アリです!

# 5:Drupal が「選ばれる/選ばれない」リアル Talk(15:30〜)

スピーカー

モチヤ株式会社代表の阿部 正幸(あべまさゆき)氏が繰り広げる「横丁愛トーク」が展開。

昨晩も仙台の横丁で、深夜2時まで杯を重ねたという武勇伝を交えながら、17年間の熱烈なDrupal愛を語る姿は、まるで地元の名物親父のよう。

(写真)モチヤ株式会社代表の阿部氏

講演内容

設立8期目を迎え、15名の精鋭と共に"餅は餅屋、システムはモチヤ"の旗を掲げるDrupal専門家の話に、会場全体が釘付け。
驚愕の数字が次々と明かされます。世界のCMSシェアでは控えめな1.1%に過ぎないDrupalが、なんとFortune 500企業の56%、政府サイトの41%で採用されているというのです。
NASAやファイザー、そして日本のデジタル庁まで、大型プロジェクトの採用事例が映し出されるたびに「シェアは小粒でも、大企業には特大餅」と言わんばかりの説得力が。

ポイント

特に印象的だったのは、NEC社内の1,500サイトを一つに集約した実例。「朝9時の始業時、全社員が一斉ログインしても落ちない」という言葉に、会場からは思わず「おおっ」という驚きの声が漏れました。

阿部氏は自らのプロダクトの欠点も、実に率直に語ります。

  • 小規模・シンプルサイトにはオーバースペック
  • メモリ食いでランニングコスト高め
  • EC向きではなく、日本語情報や人材もまだまだ不足

「スモールサイトやECはWixやShopifyに任せて、大規模案件こそDrupal!」と、潔いスタンスに職人気質を感じずにはいられません。
最後に、11月開催の日本初DrupalConを告知があり、奈良で開催との事で参加してみようかな。

# 6:Concrete CMS のコンクリートという言葉の意味が分かった気がする25分。(16:25〜)

スピーカー

2010年からこの業界で活躍しているベテランの菱川拓郎(ひしかわ たくろう)氏が登壇。Concrete CMS(旧コンクリートファイブ)の専門家で、フューチャースピリッツとの案件の関りも深く、今も菱川さんから助けていただく事ばかりです。

(写真)株式会社マカル―デジタル 菱川氏

講演内容

テーマは、「Concrete CMSというCMS(コンテンツ管理システム)」について。

Concrete CMSの特長をざっくり説明すると、「直感的な操作性」と「多機能性」、そして「セキュリティの高さ」。
注目は、これがWordPressに次いで、日本で2番目に使われているオープンソースCMSなのだということ。
上場企業や大学、さらにはアメリカ軍も利用しているなんて、信頼性の高さが伺えますよね。中盤では、具体的な事例紹介もありました。

たとえば、アメリカ軍の福利厚生サイトでは、世界各地の拠点ごとにマルチサイト管理をしているとのことで、そのスケールの大きさに圧倒されました。
また、日本での事例では、ピーチ航空やGLOBALCARのサイトも紹介されました。特に、20万件の記事をたった2カ月で移行した話には、会場からも驚きの声が上がっていました。

後半では、菱川氏の趣味であるプレミアリーグ観戦について触れていました。こういう親しみやすいトークがあると距離感が縮まりますね。
参加者同士の懇親会では、Concrete CMSの話題はもちろん、プレミアリーグ好きな方が声をかけたり、楽しい雰囲気でした。

ポイント

個人的に心をくすぐられたのは、Concrete CMSが開発者フレンドリーな点

オープンソースである上に、GitHubでソースコードが公開されているので、質問すればAIが答えてくれることもあるとか。
まさに現代の開発環境にピッタリですね。また、カスタマイズ性の高さも魅力的で、ブロックのドラッグ&ドロップやオーバーライド機能など、開発者が使いやすい仕組みがたくさん用意されています。

正直、名前は聞いたことがある程度だったのですが、参加者の多くが使ったことがあると聞き、びっくり。
Drupalよりも多いかも...なんて、冗談交じりのコメントもありましたが、実際に人気が高いCMSなのだと実感しました。

また、今回のセミナーでConcrete CMSがただのCMSではなく、開発フレームワークとしても非常に優れていることを学びました。
長い歴史の中でも絶えず進化を遂げており、今後はWebサービスの開発プラットフォームとして期待が高まっているのだとか。

もし、CMS選びで迷っている方がいたら、Concrete CMSを選択肢に入れてみるのもアリだと思います!

# 7:WIX ✕ ノーコード表現の可能性(16:50〜)

スピーカー

一般社団法人 日本ワークパフォーマンス協会(JWPP)からは2名が登壇。
技術担当でプログラミング好きの大窪亮太(おおくぼりょうた)氏と、経営企画から官公庁ビジネスまで幅広くこなすアート&お酒好きの加藤孝信(かとうたかのぶ)氏のユニークなコンビが、ノーコードツール「WIX」の魅力をたっぷり紹介してくれました。

(写真)一般社団法人 日本ワークパフォーマンス協会(JWPP)加藤氏

講演内容

テーマは、「ノーコードで魅せる!WIXで実現するデザイナーの自由な表現」について。

WIXは、コーディングなしでプロ品質のWebサイトがつくれるだけでなく、アニメーションやレスポンシブ対応、SEO、AI機能まで詰め込まれたハイスペックCMSです。
しかも、世界中で2.6億人が利用しているというから驚き。セミナーでは、吉本興業のWebサイト制作事例や、NTTタウンページのデジタル化支援など、リアルな活用例も交えながら、
実際にどんなワークフローでデザイナーがWIXを使っているかデモ付きで解説。使いやすさと拡張性の両立に、参加者がうなずく場面も多く見られました。

ポイント

"自由に表現できるツール"としてのWIX可能性に心躍る25分。

協会では地方のフリーランスや在宅ワーカーを対象にWIXスキルの育成にも力を入れていて、熊本を拠点に、栃木・北海道・高知など、全国各地で実践型の育成プロジェクトを展開中とのこと。
デジタルの力で地方と都市をつなぎ、人材と仕事の流れを生み出す取り組みに、未来を感じました。

「ノーコード=簡単」だけじゃない。コーディングができなくても、理想のサイトがつくれる時代が来た。
そんなワクワクを実感しました。

# 8:Jimdo の 16 年から学ぶ SaaS の選ばれ方(17:25〜)

スピーカー

KDDIウェブコミュニケーションズ広報室長・神森 勉(かみもり つとむ)氏。

元営業マン→DTPオペレーター→Web制作者という転身のストーリーに、早くも聞き手のハートを鷲づかみです。Dreamweaverへの愛が高じて"インターネット老人会"を自称する神森氏ですが、いまや、社内外広報の最前線で「ノーコード×PR」の旗を振るキラキラの広報マンです。

(写真)KDDIウェブコミュニケーションズ広報室長・神森 氏

講演内容

ドイツ生まれで日本上陸16年目を迎えたWebサイトビルダー「ジンドゥー」が今回の主役。

CMSでもブログサービスでもない「ウェブサイトビルダー」として、サーバー設定不要・テンプレート豊富・見たまま編集OK・無料ですぐ始められる手軽さが武器。
一方で「ページ承認フローなし」「複雑なDB連携不可」など、できないことも明快に教えてくれました。
ちなみに、神森さん曰く「そこを見極めるのがプロの腕の見せどころ!」なのだそう。

ジンドゥーが最も支持されるのは40〜50代の個人事業主や小規模企業。

「制作予算は少ないけど早く公開したい」「自分で更新したい」というニーズにジャストフィットします。
実際に、羽田トランスポートのコーポレートサイトやKDDIウェブコミュニケーションズのリクルートページもジンドゥー製に。
社内にコーディングのリソースがなくても、テンプレートをカスタマイズ+コンテンツ入力で、2〜3週間のスピード公開が可能なのだとか。

ポイント

さらに全国55カ所に広がる「ジンドゥーカフェ」「ジンドゥーエキスパート」制度も紹介。

制作会社やフリーランスが"つまずきポイント"だけをサポートし、クライアントへ運用をバトンタッチできる仕組みは、双方にとってうれしいエコシステムです。

「コーディング愛が強い人には向かない。でも、時間とコストを賢く使いたいなら最高の選択肢になる」と神森 氏の言葉で締めくくり。ノーコードツールは魔法の杖ではなく、適材適所で光る万能ナイフというメッセージが胸に響きました。

さぁ、無料版で試してみる?それとも名刺交換して神森本をゲットする?

ワクワクの余韻が冷めないまま、私はブラウザをジンドゥー公式をそっとタブ追加したのでした。

# 9:baserCMS カスタムコンテンツ徹底活用術(17:50〜)

スピーカー

株式会社キャッチアップ代表取締役であり、 NPO法人ベーサー・ファウンデーション理事長の江頭竜二(えがしらりゅうじ)氏。
九州男児らしい明るい笑顔で登壇されましたが、福岡生まれの国産OSS「baserCMS」を世に送り出した張本人でもあります。

(写真)NPO法人ベーサー・ファウンデーション理事長の江頭氏

講演内容

今回は、「カスタムコンテンツ徹底活用術 〜あなただけの管理画面を自由自在に〜」をテーマにお話しいただきました。
開発者もマーケターも「管理画面をもっと自分好みにできたら...」と、一度は夢見るポイントを一刀両断する、濃厚な60分に。
WordPress と Movable Type の"いいとこ取り"を狙った中量級CMS――それが baserCMS。CakePHPを土台にしているため拡張しやすく、国産ゆえ国内案件で狙われにくいので、セキュリティ面も魅力ですね。

ポイント

大学のサイトや医療人材マッチングなど、意外と大規模な実績があるのが面白い。

最大の見どころは、ノーコードで独自テーブル+専用入力フォームをサクッと生成できる点。
フィールドをドラッグ&ドロップで定義し、ワンクリックでDBテーブルを自動生成、任意のテンプレートにタグを挿し込んで即フロントへ反映できます。

さらに、ワンデータ=ワンレコード構造なので、大量データでも高速。

WordPressのメタテーブル地獄を経験したことのある私としては、涙が出るありがたさです。

江頭氏のデモでは、画像付きデザインカンプと自然言語プロンプトだけで「フィールド設定→テンプレート生成→ダミーデータ投入」まで自動化する未来型ワークフローを見せてくれました。

MCP(AIエージェント用プロトコル)対応サーバーと、Claude 3 Sonnet を組み合わせれば、"コーヒーを淹れている間にサイトが完成"というのも夢じゃないのだとか。

3つの魅力に、会場からも思わずどよめきが。

1)柔軟さ:中規模案件にピッタリの、「ちょうどいい」カスタマイズ性

2)安心感:国産OSS×脆弱性診断スクール連携で、セキュリティも◎

3)未来感:AIエージェント連携で、ノーコードすら超える自動化へ

「baserCMSはバランス型CMS。WPでもMTでもしっくり来ないならぜひ試してほしい」と江頭さん。

国産CMSの底力を感じるセッションでした。福岡発のこの波、東北にもガッツリ届きそうな予感がします!

参戦を終えて:CMS の「多様性」を体で感じた1日に

今回の Meetup は、Movable Type のイベントでありながら、WordPress・Drupal・ヘッドレス・ノーコードまで、縦横無尽に触れる「CMS の大花火大会」でした。

気づき

  • 案件のフェーズごとに CMS を使い分ける勇気
  • コミュニティへ飛び込むことで得られる最新ナレッジ
  • 東北でも熱い Web イベントが根付いているという事実

これらすべてが仙台の空気と混ざり合い、忘れられない夏の思い出になりました。

2026 年の開催はまだ未定なのだそうですが、ぜひ開催してほしいです!

(撮影)名掛丁通りの様子

おまけ:前夜祭のお話

実は前日 25 日の夜、イベント主催者が中心となりひそやかに"前夜祭"が仙台駅東口のクラフトビールバーで行われました。ここでは、これまでのイベントの歴史や、これからのCMSについて 、また失敗談などがざっくばらんに語り合い、お腹がよじれるほど笑いました。

"旅 × CMS" の相乗効果を味わい尽くした 48 時間となりました。

(撮影)前夜祭の様子

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大前 司

この記事を書いた人

大前 司

デジタルマーケティングのお仕事をするにあたって、窮屈に感じる事が増えクライアントからの期待値もワクワクするような事は期待されず、コンバージョンレートを1ポイントでも2ポイントでも上げるようなそんな期待を求められる事が増えています。 この業界に従事するうえで、数年前までは、ビジネスを大きく変えるデジタルマーケティングの技術にクライアントも胸を躍らせ、支援する側も目を輝かせながら、提案書を作っていた景色がありました。 今はそうなっていないという事ではないですが、AI技術の一般普及、ノーコード技術などの便利な技術が増加している一方で、デジタルマーケティングに関わる人たちが、少し委縮し、未来に対してワクワクしない状況が少しずつ蔓延していっているように感じています。 デジタルマーケティングの業界が少しでもワクワクするような情報や、体験を少しずつでも、紹介していきたいと思います。

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