ヨリミル
トレンドレポート

効率化の罠。 マーケ思考で見えたPDCAサイクル"だけ"に頼る恋活の限界

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2025/10/01
効率化の罠|マーケ思考で見えた、PDCAサイクルだけに頼る恋活の限界

こんにちは。ヨリミルライター303(女性・会社員)です。

2025年春、27歳になった私は「お互いに"ちゃんと好き"と思える人と恋愛すること」を目標に、マッチングアプリを中心に恋活を始めました。

効率よく出会いを増やし、自分に合う人を見つけるために...

ふと、仕事でも日々使っているマーケティング手法「PDCAサイクル」を恋活にも応用できないかと考えました。そして「計画して、実行して、振り返り、改善する」このサイクルを繰り返しながら、出会いの数を増やしていきました。

※ PDCAサイクルとは? Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Action(改善) の4つのステップを繰り返すことで、業務や品質の継続的な改善を目指す手法。

ではここで、実際に試してみたことを紹介します。

恋活で取り組んだPDCAの解説図

恋活にPDCAを持ち込んだ私が見失ったもの

まずはじめに、「こんな人と出会いたい」という条件を計画しました。毎日ログインしてやりとりし、初回デートまではつなげるものの実際に会うとうまくいかなかったり、思っていた人と違ったりということも多く、その都度、条件の振り返りを行いました。

次に、こんな条件の人は避けよう、そして新たにこんな人にしようと条件を変えて、カジュアルに会話する、相手に合わせてテンションを変えてみる、など...毎回、改善していく。

こうして日々PDCAを繰り返し頑張っていた夏の終わり。私は気づいてしまいました。確かに出会いの回転率は上がったけれど、「大事なものを見失っていた」ということに...

私の"恋活"の前提

まずお伝えしたいのは、私が目指すのは「婚活」ではなく「恋活」だということ。

結婚願望はありますが、「誰でもいいから早く結婚したい」わけではありません。まずはお互いが「好き」と思える人と恋愛し、向き合える関係を築きたい。結婚はその先に自然と考えることであり、スタートでもゴールでもないと考えています。

この記事では「恋活」を「結婚を前提にしつつ、まずはちゃんとお互いが好きになる恋愛をして、関係を築いていく活動」と定義したいと思います。

PDCAを回す恋活の落とし穴

PDCAを回しまくっていたら、目的がブレてきた

恋活PDCAの限界の解説図

PDCAを取り入れることで、確かに出会いの回転率は上がりました。
しかしその裏で、一つひとつの出会いを軽く扱うクセがつき、相手に真剣に向き合えなくなっていたのです。結果的に「自分も相手にとって数ある候補のひとり」と感じるようになり、心に保険をかけてしまう悪循環に陥りました。

効率を追い求めるあまり、恋愛が"作業"のようになっていた。

次第に出会いの深さや真剣さは下がり、自分の理想としていた「好きな人との恋愛」がぼやけて、改善することに気を取られ、いつしか心からリラックスして恋愛を楽しむことが難しくなってきました。

「小さな改善にとどまり、全体の戦略がブレたり、迷走する」

これはマーケティング現場でも指摘されるPDCAのデメリットと同じでした。「小さな改善にとどまり、戦略がブレる」「迷走してしまう」...。恋活でも、相手に合わせすぎて自分の理想の恋愛がわからなくなり、本来の目的を見失っていたのです。

そこで私は「恋活もPDCAだけでは限界がある」と気づきました。むしろマーケティングと同じように、他のフレームワークを組み合わせた方が、より自分の合う質の高い出会いにつながるのではないか。そう考えて次のステップに進むことにしました。

ここから先は、マーケティング思考をヒントに私の恋活を見直していきたいと思います。

PDCAだけじゃない。「マーケティング思考」で恋活を補う5つのポイント

恋活マーケティングの視点

実際に、私自身が仕事で触れて、恋活に応用したいと思うマーケティングの考え方です。

1. ブランディング(Branding)

自分の「らしさ」を一貫して伝える。相手に合わせすぎず、自分の価値観やこだわりをきちんと出す。

これまでの私は平和的な関係を願うあまり、相手に合わせる癖がつきました。すると「なんでも肯定してくれるね」と相手に言われ、本当に自分が思っていることを言えなくなることがありました。

好きなものやこだわりを大切にする感性を持つのに、相手に合わせて無難な回答をしたり、少し控えめにしたり、ハイブランド思考の人には知ったかぶりをしたり...。そのうち自分の軸がぶれていると自覚し気疲れしてきました。

考えを改めて、一貫した自分らしさを伝える「ブランド」を意識しようと思い直し、自分の軸や価値観を整理してみました。

たとえば、

これまでの私は平和的な関係を願うあまり、相手に合わせる癖がつきました。すると「なんでも肯定してくれるね」と相手に言われ、本当に自分が思っていることを言えなくなることがありました。

好きなものやこだわりを大切にする感性を持つのに、相手に合わせて無難な回答をしたり、少し控えめにしたり、ハイブランド思考の人には知ったかぶりをしたり...。そのうち自分の軸がぶれていると自覚し気疲れしてきました。

考えを改めて、一貫した自分らしさを伝える「ブランド」を意識しようと思い直し、自分の軸や価値観を整理してみました。

たとえば、

  • 「古着やリサイクルショップで掘り出し物を見つけて楽しむお洒落が好き」
  • 「四六時中話したいわけではないけど、できるだけ会話で気持ちや感情を共有したい」
  • 「基本は節約志向だけど、せっかくのシーンでは贅沢を楽しむ」 など

マーケティングでいう「ブランドアイデンティティ」と同様に、恋活でも "この人はこういう人"なのだと自分のイメージを表現して相手に認識させる、自己ブランディングの一貫性が大事です。

2. ターゲティング(Targeting)

PDCAを回しているうちに「数をこなす」ことが目的になり、気づけば「誰に出会いたいか」より「何人と出会えたか」を気にするようになっていました。結果的に「合わない人」とばかり会い、疲弊することも多々ありました。この失敗体験から、マーケティングのターゲティングと同じように、今後は、出会いの"数"より"誰に出会いたいか"を重視して、条件だけでなく「価値観の相性」を意識する。

たとえば、条件ではなく「価値観が同じか」をみる。

  • 「映画にはポップコーン、夏にはスイカみたいなベタなことも楽しみたい」
  • 「最短ルートではなく、寄り道やひと手間がある生活が好き」
  • 「人気のある場所より、たまたま見つけた静かな神社に魅力を感じる」など

多くの人にウケようとせず「この層に刺さればいい」と考えた方が、自分にとっても相手にとっても、本来の自分が出せるし無理なく自然と会話が弾み、良好なコミュニケーションが取れより深い信頼関係が築けます。

3. カスタマージャーニー(Customer Journey)

これまでは「マッチングしたらすぐ会ってみる」というスタイルで、その後の流れを深く考えていませんでした。その結果、「会うまでは盛り上がったけど、会ってからどうすればいいかわからない」ということもしばしば。

マーケティングのカスタマージャーニー(顧客体験の道筋)のように...
出会いから関係が深まるまでの流れを意識する。マッチング→会話→デート→継続的な関係という一連の道筋を考える。

たとえば、

  • マッチングアプリのプロフィール → 「広告」
  • LINEのやりとり → 「CRM(顧客関係管理)」
  • デート → 「体験価値」
  • 継続的な関係 → 「ロイヤルティ」

このように置き換えて考えてみると、「出会ってからどう育てるか」が意識できそうです。

4. LTV(Life Time Value)思考

短期的には「会う人の数を増やせた」けれど、その後が続かないことが多かったのも事実。まさにマーケティングにおける「短期的なCV(コンバージョン)」ばかりを追い、「LTV(顧客生涯価値)」を見ていなかったのと同じでした。

「一度会えればいい」ではなく、「長く一緒にいて幸せを感じられるか」を軸にする。
これからは「一度会えればいい」ではなく、「この先何年も一緒に笑い合える相手か」を見極めたいと思います。

5. 差別化(Positioning)

無難さよりも「自分らしさ」を前に出す。多くの人に刺さらなくても、理解してくれる相手を大切にする。

効率重視で「とりあえず誰にでも好かれる自分」を演じていた時期がありました。
男性ウケの黒髪ショートにしたり、好きな音楽を聞かれた時は万人ウケするアーティストを答えたり。そうすることでマッチング数には困ることなく出会えました。でも、表面上の会話だけになり、結果的に自分が没個性になり、1回会っただけで後に続かないなど、相手に深く刺さるまでいかないケースも増えました。

マーケティングでいう ポジショニング(差別化) の視点で、「強み・独自性」を前面に出す方が、ファン(=恋活視点でいう恋人候補)に響くのではないかと考えました。
恋活でも「自分らしい強み」を前に出すことが大切だと感じました。

たとえば、自分の良さや特徴を伝える。

  • 「よく話すけど、人の話もじっくり聞く」
  • 「小さなことでも一緒に楽しめる」
  • 「流行りのスタイルより自分が好きなスタイルを追求する方が好き」など、

それが結果的に、多くの人には刺さらなくても、自分を理解してくれる"ファン"を引き寄せることにつながるはずと、マーケ視点で考えてみます。

"数"から"質"へ。多角的なマーケティング視点で恋活をシフト

恋活と向き合う解説図

PDCAを活用すれば出会いの数は増えます。

ただ、その効率化の裏で「一人一人との向き合い方」や「自分が大切にしたい軸」を見失っていたことも否めません。

大切なのは、効率よりも「どんな相手と、どう関係を育むか」。ブランディング・ターゲティング・カスタマージャーニー・LTV思考・差別化といったマーケティングの視点を取り入れることで、恋活が「数をこなす場」から「質を育てる場」へとシフトできるのではと考えています。

5つのマーケティング視点を活用しつつ、自分らしい恋愛戦略を描いていくことで、理想の「ちゃんと好きだと思える人との恋愛」にたどり着けるのだと、信じたいです。

これからは"効率"に縛られるのではなく、"質"に重きをおいて、「長期的に一緒にいられるか」を考えながら恋活と向き合っていこうと思います。

もしかすると、この記事を読んでいるあなたも「数」ばかりに追われて疲れていませんか?

そうなら一度立ち止まって、"質"に目を向けてみるのもいいかもしれません。恋活はもっと、楽しくて、自分らしいものになるはずです。

結局のところ

もうすぐ28歳。節目のタイミングで改めて自分の目的を見直しました。
最終的に私が求めているのは、理屈や効率に縛られすぎない恋愛。
「自然体で一緒に楽しめる時間を共有できる相手」と出会うことだと気づきました。

散々理屈っぽいことを書き連ねましたが、本音はマーケティングうんぬんで頭でっかちにならずに恋愛したいところ。焦らず、直感を信じ自分磨きを続けながら、その先に理想の出会いが待っていると信じて、これからも恋活を続けていこうと思います。

とりあえず今日はここまで。この先は、また気が向いたら書きます。

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この記事を書いた人

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Webディレクター​

デザイン面を中心に、WEBサイトの企画・制作やディレクションを担当。​

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