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トレンドレポート

GEO/AEOとは?ゼロクリック時代にWebが"集客装置"でなくなる理由

2026/01/26
GEO/AEOとは?ゼロクリック時代にWebが

近年、Webを取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。
検索エンジン(AI Overviews)やChatGPTなどの生成AIエージェントの進化により、ユーザーは「Webサイトを訪問する前に答えを得る」ことが、少しずつ当たり前になりつつあります。

こうした変化は「ゼロクリック」と呼ばれ、従来のWebマーケティングの前提そのものを見直す必要性を示しています。

本記事では、

  • これまでのWebマーケティングの基本構造
  • ゼロクリックによって何が変わったのか
  • 企業は今後どこに投資すべきなのか
  • GEO/AEOへの具体的な対応
  • 内製と外注の考え方
  • この変化に対応した企業と、そうでない企業の違い

について、マーケティング視点で整理していきたいと思います。


かつてのWebマーケティングは、シンプルな構造で成り立っていた

これまでのWebマーケティングは、次のような流れが基本でした。

検索 → クリック → サイト訪問 → 検討 → 問い合わせ

この行動は、AIDMAやAISAS、AISCES(比較・検討・共有まで含めた購買行動モデル) といったマーケティングフレームワークにも、きれいに当てはまります。

特にAISCESでは、

  • Attention(認知)
  • Interest(興味)
  • Search(検索)
  • Compare(比較)
  • Examine(検討)
  • Share(共有)

という流れの中で、「比較」「検討」までをWebサイトが担うこと が前提となっていました。

この時代のWebサイトは、
情報提供から意思決定、問い合わせ獲得までを一気通貫で担う「中心的な装置」
だったと言えます。


ゼロクリックによって、構造はどう変わったのか

現在、ユーザー行動は少しずつ、しかし確実に変化しています。
最大の変化は、「検索=Webサイトにたどり着く入口」ではなくなりつつあることです。

生成AIの普及により、ユーザーは

  • 「〇〇とは何か」

  • 「AとBの違いは何か」

  • 「どれを選ぶべきか」

といった質問を、検索エンジンではなくAIに直接投げかけるようになっています。

その結果、AISCESで言うところの

  • Search(検索)
  • Compare(比較)
  • Examine(検討)

といった重要なプロセスの多くが、Webサイトに到達する前に完結する ようになり始めています。
これが、いわゆる「ゼロクリック時代」と呼ばれる状態です。

少しだけ、例に挙げてみましょう。
これは、皆さんが恐らく「自社分析」としてGoogleAnalyticsなどを見てても「そこまで生成AIで流入なんて来てない」と「自社Webサイトに来ているデータ」だけでさも「まだまだそんな時代じゃない」と勘違いしそうですが、対策してないWebサイトにはそもそもゼロクリックも、生成AIエージェントからのトラフィック(これは生成AI結果からWebサイトへ行く行動を行うケース)も見えてない状態だからです。

出典:Similarweb Web Intelligenceを使ったデータ

上記はとある情報ポータルサイトであり、一般的な企業サイトよりも生成AIの引用影響を受けやすいタイプのサイトではありますが、このように生成AI流入としてトラフィックとしてシェアを占めている事が窺えます。
そして何よりも、これは「トラフィック」があったものであり、「ゼロクリック」として情報収集のみをされているものはここには反映されません。
Google検索の過半数がゼロクリックで終わるというデータも出ている事から、この生成AIがもたらしているユーザー行動変化が今までのような分かりやすさではない可視化しにくい状況になっているというのも現状になってます。
つまり、ユーザー行動が消えたのではなく、行動が発生する場所と、企業が計測している場所がズレ始めているという状況だと言えます。


Webサイトは不要になるのか?──答えは「NO」

ゼロクリックという言葉から、「Webサイトの価値が下がるのではないか」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、Webサイトが不要になるわけではありません

SEO主体のWeb役割からGEO主体のWebの役割に変わるだけ です。

これからのWebサイトに求められる役割は、主に次の3つです。

  • AIや検索エンジンに正確な一次情報を提供する情報源

  • 比較・検討に耐えうる判断材料の蓄積場所

  • 「この会社に任せて大丈夫か」を確認する最終拠点

Webは今後、集客の入口」から「信頼を確認する場所へと、その重心を移していくと考えられます。


では、企業は今後どこに投資すべきか?

この構造変化を前提にすると、Webやデジタルへの投資判断も見直す必要があります。
今後、特に重要になる投資先は次の3領域です。

1. AIに正しく理解・引用されるための構造(GEO / AEO)

これからは、検索順位だけを目的としたSEOだけでは十分とは言えません。
AIが回答を生成する際に、

  • 正しく理解されること

  • 誤解なく引用されること

  • 比較情報として採用されること

を前提とした GEO(Generative Engine Optimization)/AEO(Answer Engine Optimization) への対応が重要になります。
※生成AIの回答生成に最適化

これは技術的な施策であると同時に、情報発信の設計思想そのものの転換でもあります。

2. 他社が模倣できない一次情報への投資

AI時代に価値が高まるのは、様々な部分で「情報の質」が求められて生きます。
「比較検討」などのフェーズに於いて生成AIが引用してくる情報などを例に挙げると

  • 実際の導入プロセス

  • 成功事例だけでなく課題点の明記と対応詳細説明

  • 定量的な数値の変化

  • 意思決定の背景

といった一次情報です。

こうした情報は、AIにとってもユーザーにとっても、判断の拠り所となります。
表面的な説明だけではなく、「なぜそうなったのか」まで語れる情報が重要になります。

3. 最終確認に耐える信頼設計(ブランド・実在性)

ゼロクリック時代において、Webサイトは最終的に「信頼を確認する場所」になります。

  • どんな会社が運営しているのか

  • 誰が責任者なのか

  • 実績はあるのか

  • 問い合わせ後の流れは明確か

こうした情報が整理されていなければ、ユーザーは安心して次の行動に進めません。


GEO/AEO対応で企業が今すぐ取り組むべき領域

実務としてすぐに着手しておきたい代表的な取り組みを整理します。

  • 「〇〇とは?」といった定義ページの整備
  • 比較表のHTML構造化
  • Q&A形式のFAQ整備
  • 運営者情報・監修者情報の明示
  • 成功事例と失敗事例の両方を公開
  • 見出し構造・文章構造の最適化
  • 数値や実績を文章で明記
  • 専門用語への補足説明
  • 比較される前提での強み・弱み整理
  • KPIを「流入」から「参照・指名」へ転換

これらは特別な企業だけの施策ではなく、今後は多くの企業にとって標準的なWeb運用の一部になっていくと考えられます。

そして、何よりもここで重要なのは「情報設計」という考え方です。上記の「やり方」だけでは恐らくユーザーに正しい情報を正しく伝える事が難しいと考えております。
何故なら、これまでのSEOとしての考えかたの様に「キーワード」を単発で並べるやり方ではGEO対策としては不足しており、ユーザーがキーワードだけではなく「行動」「ニーズ」が掛け合わさった情報収集にシフトしているからです。
この情報設計とは、「ユーザー」が行動に於いて「何を求めているか」という事を踏まえて、その情報を一次情報としてしっかりと整理する必要があるという点です。
この情報設計を行うに辺り、自社目線だけで整理をする事には限界がある為、企業はコンサルなどの検討をしたりしますが、ここの部分に於いてもうまく設計できてるという企業様はあまり多くないと見受けられます。


GEO/AEO対応は内製すべきか、外注すべきか?

GEO/AEOに取り組む際、「内製か外注か」で悩むケースは少なくありません。
この部分に感しては、いくつかの社内の環境や人材、体制が大きく関わってきます。

  • 社内に編集・構造設計ができる人材がいるか
  • 技術検証(構造化・ログ分析)まで回せるか
  • 月次で仮説検証できる体制があるか

結論としては、ハイブリッド型が最も現実的で成果が出やすい と言えます。

  • 戦略や内容、意思決定は内製、若しくは外部の伴走支援

  • 構造設計や実装、検証は外注

という分担ですが理想的だと考えます。

すべてを内製しようとすると専門性や検証工数が不足しやすく、すべてを外注すると事業理解や意思決定に必要な戦略理解と効果測定が浅くなりがちですし、役割を適切に分けることが重要です。
何よりも皆様のサービスや会社の事は誰よりも皆様が良く知っているはずですし、お客様への想いも一番強いんです。コンサルタントや外部制作会社ではありません。
その想いを言語化すること、形にすること。そして、施策や実施、運用をお手伝いする事。これが弊社が掲げている「伴走支援」という形です。

そして、外注する際の設計自体の必ず「コンセプト」が必要になってきます。
適切な構造設計を行う為には、その前に情報設計、ユーザー行動の洗い出しは不可欠であり、そしてその検証は「自社」のWebサイトのユーザー行動だけでは把握できることが限られてくるため、市場やキーワードだけではないフレーズ調査などが重要になってきます。
この辺りを自社で行える会社様はそこまで多くはなく、その為に弊社の「ヨリミル」ような伴走支援を選ばれております。(少し、宣伝気味ですみません!)


この変化に対応した企業と、そうでない企業の違い

ゼロクリックやGEO/AEOといった変化は、短期的にすぐ成果が見えるものではありません。
しかし中長期で見ると、企業間に少しずつ差が生まれていきます。SEO対策として謡われてた黎明期と同じムーブですよね。
SEOという言葉は20年前にもう大事だとされてましたが、そこを理解する人が少なくて先駆者の優位性が顕著に出たと考えております。

対応が進んでいく企業は、

  • AIや検索結果上で自然と参照されやすくなり

  • 比較検討の初期段階から存在感を持ち

  • 営業・マーケティングの効率が徐々に改善していきます

一方、従来型のSEO運用だけに留まっている場合、検索順位が保たれていても、
「意思決定に関与する場」から距離が生まれる可能性があります。

これは優劣の問題ではなく、役割の変化への対応が進んだかどうか の違いと言えるでしょう。


まとめ:これからのWebは「集客」から「信頼のインフラ」へ

ゼロクリック時代において、Webサイトは新しいフェーズに入りつつあります。

流入を集めるためだけの装置ではなく、意思決定を支えるための信頼の基盤へ

GEO/AEOへの対応も、特別な取り組みではなく、今後のデジタル戦略における標準的な選択肢のひとつになっていくでしょう。

自社のWebサイトが、

「読まれる場所」から
「判断される場所」へ

進化していくために、今どこから手を付けるべきか。
本記事が、その検討のきっかけになれば幸いです。


出典リンク

[1]Google検索におけるゼロクリック検索の増加傾向

2024年の調査では、米国で約58.5%、EUで約59.7%のGoogle検索が検索結果だけで終了し、Webサイトへのクリックなしで終わるというデータが示されています。これはユーザー行動が「検索結果画面で完結」するケースが多数派になっていることを示しています。

[2]AI要約(AI Overviews)の表示がクリック率を大きく下げる傾向

Pew Research Centerのパネル調査では、検索結果にAI要約が表示された場合、従来の検索結果リンクがクリックされる割合は**わずか8%**であり、AI要約表示がない場合(従来の検索結果)では約15%がリンクをクリックしていたと報告されています。これはAI要約が表示されると、ユーザーがリンクをクリックしない割合が大幅に増えることを示しています。

[3]AI要約内リンクのクリックも非常に低い

同じPew Research系データでは、AI要約内で引用されたリンク自体がクリックされるケースはわずか1%程度であると観測されており、AI上で表示された情報が独立したWebサイト訪問につながりにくいことが示されています。

[4]ゼロクリック検索が一般的な行動パターンとして定着

他のデータでは、2025年時点でGoogle検索の60%前後がゼロクリックで終わることが複数の分析で報告されており、キーワード検索でWebサイトが訪問されないケースが広く起きていることが確認されています。

補足

最近の複数の分析でも検索結果画面だけでユーザーの情報取得や意思決定が完結するケースが多数になっていることが示されています。2024年の検索行動分析では、米国・EUを中心に約60%の検索がゼロクリックで終わることが観測されています。また、AI要約(AI Overviews)が表示された検索では、従来の検索結果リンクがクリックされる割合が8%にまで落ちるという調査もあり、ユーザーの行動が以前とは大きく変化していることがうかがえます。
また、このモデルはB2Bに於いてより強く傾向が見られることですが業種・業態にも依って様々な変容が窺えます。
生成AI時代に於いて、行動変容が日々凄まじいスピードで変わっていっております。大事なことは、キャッチし続け、その都度何が自分たちでできるのかを模索し、検証し、実行し、続ける事、所謂PDCAであり、それがマーケティングというものの本質でもあるという事を加えて結びにさせて頂きます。

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須賀 剛史

この記事を書いた人

須賀 剛史

デジタルマーケティング事業本部/ストラテジックマーケティング部/シニアマネージャー

クライアントワークを軸に、お客様のデジタルマーケティング全般をサポート。さらに、ヨリミルのサービス設計・構築にも注力しています。

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