20年以上続く「信頼の土台」は見えないところでつくられている。佐々木さんを取材 ──ヨリミルの中の人ってどんな人?
ヨリミルの菊池です。仲間入りしたばかりで、ヨリミルの中の人をもっと知りたいと思い、【ヨリミル・インタビューマラソン】を企画。7名に取材し毎週記事を公開していきます。5回目は、CS1部の佐々木さんへビジョンや仕事内容、メンバーの魅力を伺いました。ぜひご覧ください。
「信頼の土台」って、どういうこと?佐々木さんへ14の質問で探ってみました。
2025年6月24日大阪オフィスにて撮影 Photo by Hideyuki Nakamura
Q1:CS1部の主な業務内容を教えてください。
「運営」と「運用(保守)」
お客さまの目的・ゴールへ安心安全に伴走する
業務は大きくこのふたつに分かれます。
運用(保守)は、既存のお客さまからいただいた素材や指示をもとに、確実にかたちにしたりていく、利用されているシステムに関する問い合わせ対応をしていく、いわば「受け手」の役割。
一方の運営は、私たちが主体となって進行や改善提案を含めたサポートを行うものです。たとえば「こういった見せ方はいかがでしょうか?」といった提案や、「この素材があるともっと伝わりやすくなります」とお客さまに投げかけながら、より良い方向へ導いていく。それが「運営」です。
体制は案件ごとにさまざまで、たとえば長年お付き合いのある上場企業やメーカー様の案件では、ディレクターだけでなく、デザイナーやエンジニアを含めたフルスペック体制で取り組んでいます。一方、ディレクターがひとりで対応する案件もあり、外部制作会社に委託するケースもあります。
サーバー関連はCI部、デザインや更新作業は社内クリティブメンバー・外部パートナーと連携しながら、私たちは「お客さまのチーム」として機能し、最適な形で業務をつなげていきます。20年以上も長くお付き合いしているクライアントも多く、信頼関係に支えられた「伴走」が、私たちの仕事の土台です。
Q2:お客さまや他部署との関わりで、大切にしていることは?
一番に大切にしているのは、「信頼関係のクオリティ」を維持すること。
それは、長くお付き合いのあるお客さまへの、静かで揺るぎない約束。
人が異動する。体制が変わる。サービスの仕様が更新されるといった私たち側で起こる「変化」によって、お客さまに迷惑をかけてしまわないように、見えないところまできちんと手を尽くす。それが、長く選ばれ続けてきた理由でもあると感じています。
もちろん、それは社内の連携においても同じです。関係部署とは密に調整を行い、スムーズに仕事が進むよう丁寧に橋渡しをしています。部署が違っても、お客さまの信頼を一緒に守っているという気持ちは同じです。
私たちが守っているのは、単なる業務の「品質」ではありません。 変わらない安心感、そして「ここに頼んでよかった」と思っていただける関係性。その土台にあるのが、CS1部として根っこにある気持ちです。
Q3:最近のプロジェクトで、印象に残っているものは?
最近特に印象深かったのは、株式会社スカイアーク社(以下、SKR)から
一部の事業を引き継いだプロジェクトです。
SKRと株式会社フューチャースピリッツ(以下、FS)では、業務の進め方に明確な違いがありました。SKRは少数精鋭で一人ひとりが広い領域をカバーしていくスタイル。一方のFSでは、分業制が整っていて、それぞれが専門性に特化した業務を担う体制が根付いています。
このふたつのカルチャーが交差したとき、「この部分は誰が担うのか?」といった境界線のあいまいさが浮き彫りになりました。組織同士の息を合わせる難しさと向き合う日々は、今も続いていますが、それと同時に、ひとつのチームとして歩み寄っていくプロセスの尊さも実感しています。
私たちも、かつては属人化の課題を抱えていました。特定のメンバーに業務が集中し、誰かが欠けたときに対応できる人がいない。そんな状態を脱するために以前からチーム体制への転換を進めてきました。結果として、誰かが休んでも他の誰かが自然に補える、そんなワークバランスの整った、健やかな働き方が少しずつ根付いてきたように思います。
そして、この会社で何がしたいのか? どんなスキルを磨いていきたいのか?
一人ひとりの声に耳を傾けながら、私自身が「このスキルがあれば、その人らしさがもっと活きるのでは」と思うことをそっとリクエストとして伝える。そして、その対話のなかで導かれた目標を、自らの言葉で掲げてもらう。そんな「すり合わせの時間」を大切にしています。
Q4:日々の仕事の中で、どのような課題に直面することが多いですか?
今、最も直面している課題は、「リソースのやりくり」です。
CS1部には、私を含め現在21名が在籍していますが、そのうちの多くは既存のお客さま対応に日々追われており、全体の7〜8割のリソースがすでに埋まっているのが現状です。
そうした中で、新たなリクエストが舞い込んできたときに、それが新規案件であっても、既存のお客さまからの追加要望であっても「今、この対応に誰が手を挙げられるのか?」という問いに、すぐに答えを出せない場面があります。
ただ、それでも依頼は待ってはくれません。 だからこそ、私たちは日々のやりとりの中で、チームとしてどうカバーし合うか、どこまでが自分たちの守備範囲なのかを見極めながら、慎重に、そして迅速に動いていく必要があります。
余白のないスケジュールの中でも、お客さまに対する誠実さだけは失わないように。そんな想いを胸に、ひとつ一つの案件と向き合い続けています。
Q5:CS1部のやりがいや面白さは何ですか?
ただ依頼されたことをこなすのではなく、
お客さまが求めている以上の価値を届けることが醍醐味。
たとえば、より魅力的なサイト運用の提案をする。課題に気づき、先回りして改善を働きかける。そうしたひと手間の積み重ねが信頼につながり、「ありがとう、助かりました」と言っていただけたときには、やはり大きなやりがいを感じます。
その実現には、社内の体制づくりも欠かせません。
個人のがんばりだけではなく、チームや仕組みとして安定的に対応できる状態を整えることで、長く寄り添える関係を築いていける。そこに、この仕事の奥深さがあります。また、日々のコミュニケーションも重要です。私たちは、お客さまのITリテラシーや性格に合わせて、メールなのか電話なのか、あるいはバックログに記録を残す形か、最適な方法を選びながらやり取りしています。
一人ひとりのお客さまと、丁寧に関係を紡いでいくこと。
その過程そのものが、カスタマーサクセスの醍醐味であり、面白さだと感じています。
Q6:CS1部の雰囲気やメンバーは?ユニークな点や魅力を教えてください。
何かを決めるとき議論の熱量や、前向きな言葉のキャッチボールが、
このチームならではのユニークさだと思っています。
現在、CS1部には20名が在籍しています。社内でも人数の多い部署で女性メンバーの比率が高いのが特徴です。そうした中で日々感じるのは、「意見がしっかり飛び交うチームの強さ」です。
反対意見もあれば、賛同の声もある。対処法について自然とディスカッションが起こる。そうした風景を、私はとても頼もしく、そして楽しく感じています。
メンバーとの1on1では、常にこう意識しています。
「こうしてほしい」と相手に期待するのではなく、「私は、こうしたい。そのために協力してもらえるとうれしい」と自分の意思として伝える。
相手のことを完全に理解することはできない。だからこそ、伝え方には誠実さと選択の余白を持たせたい。そんな想いで、日々向き合っています。 それでも意見がすれ違うこともありますが、そんなときは、しっかり考えたうえで、「僕はこうしたいので、これで進めてください」と、自分の判断で決めることもありますが、その判断に納得してもらえるような普段の関係づくりこそが、マネージャーとしての大事な仕事だと思っています。
Q7:チームでの成功体験や、うれしかったエピソードがあれば教えてください。
昨年のことになりますが、ひとつ大きな達成がありました。
売上総利益目標を達成し、最終的には150%を超える大幅な達成となりました!
この成果の裏には、チーム全体で掲げた「働き方の指針」があります。 私からメンバーに伝えたのは、「楽しんで仕事をしてほしい」という想いです。私からメンバーに伝えたのは、「楽しんで仕事をしてほしい」という想い。 ただ、楽しむには土台が必要です。そこで、3つの意識を共有しました。
-
クリエイティブな視点(ワクワク)を持つこと
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余白(心の余裕)を持つこと
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現状に囚われないチャレンジ意識を持つこと
日々同じように見える業務の中にも、改善の余地や工夫の楽しさがある。
たとえ小さなデザインのひと工夫や運用の進め方であっても、自分の中に「ワクワク」を持って取り組んでほしい。そんなメッセージを込めていました。
驚いたのは、売上だけでなく、チーム全体の残業時間も減っていたことです。
無理を重ねて成果を出したのではなく、楽しみながら、工夫しながら、一人ひとりが力を発揮してくれた。そのことが、何よりうれしく誇らしい成功体験になりました。
ーーさて、ここからは佐々木さんの素顔に迫ります。
Q8:佐々木さんはどんなキャリアを積んできましたか?
実は、株式会社フューチャースピリッツ(以下FSと名称)が、私にとって4社目です。
最初は、大阪にある飲食企業のデザイナー部門に入りました。グラフィックデザインが出発点でしたが、当時はちょうど、飲食業界に「食べログ」のようなポータルサイトが出始めた頃。店舗のWebサイト制作や更新にも少しずつ関わるようになり、その面白さに惹かれていきました。
2社目では、自社サービスを展開する企業のWebデザイナーに。
といっても、当時のWebデザイナーは今でいうディレクションやコーディングまで全部担当する「なんでも屋」のような仕事で(笑)。その後、ご縁から他社サイトの制作も担当するようになり、自分が知らない事業やサービスを知り、そこに合うクリエイティブを考えることに、強く惹かれていきました。
その気づきから、3社目は制作会社へ。ここではWebディレクターとして、本格的にクライアントワークに携わるようになります。ただ当時いわゆる「ブラック」な働き方が続き、自分や健康にも影響が出始めていました。そんな中、転職先に求めたのは「制作力」だけでなく、サーバーやシステムにも対応できる会社でした。というのも、ここではサーバーやメールの問題がたくさん勃発して、メーカーに問い合わせてもそのたびに担当が変わり、同じ説明を何度も繰り返すストレスがありました。だからこそ、「連携できる安心感」「専門家が社内にいる体制」がある環境に行きたいと強く思ったのです。
そしてFSに出会いました。ここでは、サーバーインフラに関する部署とすぐに連携でき、制作も技術もワンチームで動ける。そういう環境にたどり着けたことは、本当に幸運だったと思っています。
今も変わらず、Webディレクターとして仕事をしていますが、時代とともに専門分野が細分化されるなかで、いろんな分野のプロフェッショナルと力を合わせて、一つのゴールに向かっていけること。それが今の仕事の一番の醍醐味だと感じています。
Q9:マネージャーとして大事にしている信念はありますか?
一番大切にしているのは「業務しやすい環境を整えること」です。
安心して働ける土台があってこそ、人は本来の力を発揮できる。その思いを軸に、チームと向き合っています。 また、私は基本的に「自分より知識・経験ある人はいくらでもいる」と考えていて、どんな相手に対しても尊敬の気持ちを持つようにしています。たとえば海外に留学経験がある新卒の人は、自分の若い頃とはまったく違う視野を持ち、本当にすごいなと感じたことがありました。
それからもうひとつ。
以前は、メンバーの足りない部分に目が行きがちだった時期がありました。でも、欠点ばかりに目を向けていると、その人への印象自体が歪んでバイアスがかかってしまうことに気づいたんです。それ以来、私は意識的に「良いところに目を向ける」ようにしました。
誰にでも、必ず良い点や素敵な面がある。
そこに焦点を当てて関わっていくと、自然とコミュニケーションにもあたたかさが生まれ、関係がゆるやかにほぐれていく気がします。 何かを押しつけるのではなく、相手の存在を受け止めること。それが、今の私が大切にしているマネジメントの在り方です。
Q10:佐々木さんにとって仕事とは、一言で表すとズバリなのですか?
好きなもの
──それが、今の私にとっての仕事です。
正直、これまでのキャリアの中には、決して楽とはいえない時期もありました。
たとえば一社目のグラフィックデザインの会社では、1カ月休みがないという時期もありました。まさに職人のような働き方。それでも、苦しかったけれど「つまらない」と思ったことは一度もなかったんです。 そして今も、パソコンの前で8時間、10時間、時にはそれ以上、夢中で作業していることがあります。きっと嫌いなことだったらそんなに続けられない。むしろゲームに熱中していた頃と同じ感覚で、「面白いから」「好きだから」今日も手を動かしている。そんな感覚に近いのかもしれません。
好きなものだから続けてこられた。好きなものだから、変わっていけた。
だからこそ、私は仕事を「好きなもの」として、これからも大切にしていきたいと思っています。
Q11:人生のターニングポイントはありますか?
ひとつには絞れません。 それほどまでに、出会ってきた「人」が、
人生の大きな転機をくれたように思います。
たとえば、1社目の飲食系デザイン部の時。
当時の取締役の方に「全部はできない。だから、何かを取捨選択しなさい」と言われたことが、今でも心に残っています。 その方は「仕事を第一にする。なぜなら、家族を守るには、まず仕事を全うすることが必要だから」と語り、その言葉に強く共感しました。当時私はまだ結婚前でしたが、将来をともにするパートナーと暮らし始めた時期で、その考え方がすっと自分の中に落ちてきたのを覚えています。
2社目では、Webの道を本格的に進むうえで、多くのことを与えてくれた上司がいました。「これ、やってみて」と、挑戦の機会をどんどんくれる方で、その信頼が、私の背中を押してくれました。
3社目では、一人のデザイナーに出会いました。
自分がやりたいものを伝えると、それを想像以上のかたちで仕上げてくれる。その感動は今でも忘れられません。彼女との出会いをきっかけに、私は「つくる人」から「設計する人」へと意識が変わっていきました。今もビジネスパートナーとしてお付き合いが続いている、大切な存在です。
振り返れば、どの会社にも、ターニングポイントをくれた「誰か」がいました。それはつまり、私のキャリアは、人との出会いによって支えられ導かれてきたのだということ。だからこそ、今度は自分が誰かにとっての「次の一歩」のきっかけになれたら。そんな気持ちで、今も仕事に向き合っています。
Q12:最近、ハマっていることはありますか?
最近は、息子と一緒にバスケットボール観戦にハマっています。
会社がパートナーを務めている京都のプロバスケットチームの試合を、チケットを通して観戦できる機会があり、ありがたいことに、息子と何度も足を運ばせてもらっています。
息子もすっかりバスケの虜になっていて、試合があるたびにワクワクしている様子を見ると、私までうれしくなります。 まさか会社の取り組みが、こんなふうに家族との時間のきっかけになるなんて、思ってもみませんでした。
好きなことを、仕事と家庭の間で自然に共有できる。そんなありがたさを、今しみじみと感じています。
Q13:3年後、5年後、10年後CS部の姿がどうなっているといいですか?
サーバーインフラのような存在。
正直、1年後ですら想像が難しい中で、3年、5年、10年後のことを語るのはなかなかに難しいですが、でもひとつ、「こんな存在になっていたらいいな」と思うイメージはあります。
普段は意識されないけれど、もし無かったら業務が回らない。サーバーインフラのように、お客さまや社内から当たり前のように信頼されているチームになれたら、とても誇らしいことだと思います。
Q14:佐々木さんがお客さまだとした場合、「ヨリミル」を選ぶとき、どこが決め手になると思いますか?
いま、「ヨリミル」というサービスが見せてくれている
「変化の途中」そのものに、強く惹かれると思います。
この1年、ストラテジーマーケティング部が立ち上がり、須賀さんが試行錯誤を重ねながらも着実に実績を積み重ねてきた姿を近くで見てきました。そこにさらに高村さんが加わり、メッセージの磨き方や伝え方にも一貫性が生まれはじめて、以前は見えにくかったことが、今は少しずつ「見える」ようになってきました。 その変化が、私たちCS1部の現場にも、しっかり伝わってきています。 一方で、私たちCS1部も含めて、まだまだ「何をしているか、伝えきれていない」部分があると感じています。
たとえばCI部には技術ブログがあり、外部の方にも専門性が伝わるような発信ができている。一方で、私たちデジタルマーケティング領域は、どうしても中身が見えにくく、お客さまから「結局、何をしてくれるの?」と思われてしまうリスクがあります。
だからこそヨリミルが、誰に、どんなふうに役立つのかが伝わる表現で、私たちの仕事を意味あるものとしてお客さまに届けてくれる。そんな発信を、これからも期待しています。
―― ヨリミルのインタビューマラソンにご協力いただきましてありがとうございました。
(取材日:2025年5月19日 / 取材者:菊池由佳)
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